

◆PRODUCTION NOTE
「かつて数々のアクション映画の名作で活躍した男たちとその魂をスクリーンに蘇らせたかったんだ」シルベスター・スタローンは語る。「これは一般的な社会からは隔絶した特殊な世界でしか生きられない男たちの物語だ。彼らは人生を脱線し、家族もなく、同じタイプの仲間たちとの信頼だけを頼りに、非情な世界で生きているんだ」。スタローンはこの映画で、『特攻大作戦』『ワイルドバンチ』や『戦争の犬たち』など、男が男であり、男たちが正々堂々と真正面からぶつかり合い、そうした物語が力強いヒーローたちによって説得力を持って語られた、往年のアクション映画の傑作群から大きな影響を受け、その世界を現代に再現しようとしている。「アクション映画のヒーローは変化を遂げてきた。ジョン・ウェインやリー・マービンの時代から、イーストウッドの時代を経て、最近ではCGやテクノロジーがアクション・ヒーローを作り出している。でも、今また、肉体的で男っぽいヒーローが求められてきている。一見、時代遅れのようにも見えるかもしれないが、彼らこそ本物のヒーローだ。映画の中で活躍してきた彼らこそ“エクスペンダブルズ(消耗品)”なんだよ」。出世作『ロッキー』をはじめ、数多くの主演作で脚本も手がけ、高い評価を得ているスタローンは、今回も監督、主演、そして脚本を手掛けている。「脚本には魂と物語が絶対に必要だ。魂がなければ物語はない、それがなければ映画じゃない」という脚本家としての信条を基に、今回も彼は、100回以上の書き直しを行い、『ロッキー』や『ランボー』とは比較にならないスケールを持ち、単なるアクションには終わらせない濃厚な男たちのドラマを描いて世界中のファンを魅了する。
この映画史上空前のアンサンブル・キャストの共演を実現させるための最大の戦略もスタローンの脚本にあった。スタローンは笑いながら振り返る。「彼らが演じたいと興味を示すような役を書いたんだ。と同時に、彼らの持っている競争心を刺激して、彼らが最近やらなくなったタイプの映画にまた戻って来てもらうようにしたんだ」。だが、この夢の企画を実現させるために戦略など必要なかった。キャストのほとんどが、伝説のアクション・ヒーロー:スタローンの求めに無条件で応じたのだった。ジェット・リーは出演のオファーに対し、会議ひとつ行わずにサインした。ジェット・リーは語る。「15年くらい前から、一緒にやろうと言われていたんだ。スタローンは僕のヒーローだよ。彼の映画が大好きなんだ。特に好きなのは『ロッキー3』。あの映画を見てからトレーニングのときはいつも頭の中にあのテーマ曲がかかっていたよ」。ジェイソン・ステイサムは語る。「何より不安や問題を抱えた男たちを描いた脚本が気に入ったよ」。『ロッキー4』以来のスタローンとの共演となるドルフ・ラングレンは、「スタローンは僕のために面白い役柄を書いてくれたし、こちらの意見を聞いてさらにそれを膨らませてくれた。滅多にやったことのないユーモアのある演技も含め、最高の経験をさせてもらったよ」
プロデューサーのアヴィ・ラーナーは語る。「スタローンはリスクを恐れないチャレンジャーだ。最初の『ロッキー』にしても、『ランボー』の1作目にしても、彼にとってとても大きなチャレンジだった。そして今回、彼はまったく新しいキャラクターを創造し、自らの肉体を酷使したアクションを描き、この豪華すぎるキャストを巧みに動かし、ブラジルをはじめ困難なロケーションに挑む。彼のキャリアはチャレンジの連続だ。彼はまったく恐れを知らない。だからこそ彼は世界のヒーローになれたんだ」
監督としてのスタローンについても、多くのスタッフやキャストが絶賛する。プロデューサーのジョン・トンプソンが驚きを隠さない。「スタローンは完璧なビジョンを持って撮影に臨んでいた。彼はショット・リスト(その日の撮影メニュー)を一切使わないんだ。彼はその日に何をやるべきかすべて頭に入っていて、細部まで的確な指示を出し、流れるように現場を仕切るんだ。私はこれほどの現場掌握術を持った監督を見たことがない。まるでサーカスでも見ているみたいだったよ」
また、アクション・シーンの撮影ではスタローンは常に5台以上のカメラを回し、ステディカム・カメラも駆使して可能な限りアクションの全容をフィルムに収めるように撮影のジェフリー・キンボールに指示した。その結果、かつてない迫力に満ちたアクション・シーンの数々が誕生することになった。
『ランボー 最後の戦場』でもスタローンと仕事をしているチャド・スタエルスキは、常に高度なアクションとスタントを要求する監督のために全米からトップクラスのスタントマンを呼び寄せた。「妥協せずに観客をアッと言わせるような場面を撮りたいが、俳優を危険な目に遭わせるわけにはいかないから、大変なんだ」。スタエルスキにとって最も困難なアクションの設計はクライマックスの大爆破シーンだった。特にテリー・クルーズが崩壊する城から逃げる場面は大きな危険を伴う撮影だったが、事故もなく驚異的な迫力の見せ場が出来あがった。また、映画にはアルバトロス水陸両用機を使った印象的な空中アクションが登場し、ジェイソン・ステイサムが機の先端部分から頭を出して機銃を撃つシーンがあるが、その場面をステイサムはスタントなしで演じた。「会議で、ガソリンを撒くだけじゃなく、機の鼻からジェイソンが頭を出すってのはどうだろうって提案したら、部屋中が凍りついたよ」とスタローンは笑って振り返る。だが、そんなアイデアをジェイソンは喜んで引き受けた。ステイサムは語る。「スタローンはほとんどの危険なスタントを自分で演じてきた。だから彼の映画はリアルで説得力があるんだ。彼が望むならもちろんやらなきゃ男じゃないぜ!」。そして、ベテランの空中撮影コーディネーター、フレッド・ノース(『インセプション』、『2012』)の協力を得て、スタローンの想像していた以上の驚異の映画史的瞬間が撮影された。
製作における最大の難問は、架空の国ヴィレーナを舞台にした派手なアクションが満載の超大作をどこで撮影するかにあった。様々な候補地が検討された結果、最終的に撮影はブラジルで行われた。「ブラジルでの撮影はあらゆるレベルにおいて挑戦的な経験だった」。プロデューサーのレス・ウェルドンは回想する。「だが、数々の建築物、漁村やジャングルといった景色、人々の協力面も含め、ブラジルは他のどこでも撮れない最高のロケーションを提供してくれた」。プロダクション・デザイナーのフランコ=ジャコモ・カルボーネは、長期にわたるロケーション・ハンティングの結果、スタローンのイメージするガルザ将軍の司令部にピッタリの場所として、リオデジャネイロの有名なキリスト像のあるコルコバード山のふもとにあるラゲ公園内の邸宅と出会い、その場所に装飾を施して完璧なガルザの城を作り上げた。スタッフの頭を悩ませたのは、ブラジルの暑さと湿度の高さだった。モンスーンのような天候が突然襲って撮影は延期され、まとわりつくような湿気が出演者やスタッフを日々消耗させた。約1カ月におよぶブラジルでの撮影を終え、撮影隊はニューオーリンズのハラハンにあるルイジアナ・フィルム・スタジオでの撮影を開始した。プロデューサーのアヴィ・ラーナーは語る。「ニューオーリンズは文化と歴史のある大変面白いロケーションで、この映画に奥行きを持たせるために完璧な場所だった」。1800年代、南北戦争中に南軍が使用した地下墓地フォート・マッコームでは、クライマックスのアクション・シーンの一部が撮影され、映画に奇跡的な効果を生んでいるが、その撮影の際にも撮影隊は天候に祟られ、どしゃ降りと洪水で数日間の延期を強いられた。